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初心者でもOK!パスタ屋厨房の作り方入門



1.はじめに
2.パスタ屋の厨房基本スタイル
3.パスタ屋の厨房とゾーニング
4.パスタ店の厨房機器
5.繁盛店を生み出す厨房を作ろう!
6.まとめ

1.はじめに

パスタは家庭でも簡単に調理できる料理であり、レトルトのソースもスーパーなどで安く購入できるため、私たち日本人にとって身近な麺料理の一つとして親しまれています。

一方で生パスタは、乾麺にはないもちもちとした食感にソースの絡み具合が相まって、一度食べたらクセになる味わいが特徴で、家庭では再現が困難です。

とりわけ生パスタを軸にしたレストランは場所によってはまだまだ希少な存在であり、そのため家庭では味わうことのできない料理を提供する「パスタ専門店」は、飲食店オーナーにとって無視できない業態です。

そんな「家庭では再現できない味」を提供するパスタ専門店の厨房づくりを見ていきましょう。

2.パスタ屋の厨房基本スタイル

ペペロンチーノ、ボンゴレビアンコなどのオイルパスタ、トマトソース、ミートソース、クリームソースなどの各種定番パスタに加え、日本人好みの和風パスタなど、基本的なパスタメニューに加え、季節ごとの食材を利用した限定メニューの提供も、繁盛店を生み出すための必須アイデアです。

生パスタにこだわった店舗の厨房スタイルは、生パスタを提供するための構成にすべきであり、その軸となるのが生パスタマシンです。パスタマシンの設置場所によって、パスタマシーンから出てくるパスタをお客さんに見てもらうこともでき、演出の一つとして考えてもよいかもしれません。

生パスタはその鮮度、質感に加え、乾麺よりずっと早くゆであがるなど、クオリティ&クイックを実現します。そうした生パスタの特徴を生かす厨房をデザインしていきましょう。

3.パスタ屋の厨房とゾーニング

生パスタを提供する事例店舗では、入口を背に左側にカウンター席を設け、その反対側にオープンキッチンを設置。
カウンターから見える位置に生パスタマシーン、コンロなどのクッキングラインを置き、下処理のためのプレパレーションエリア、洗い場エリアを客席から見えない位置に区画します。

店内で製造したパスタはカウンター右奥にある冷凍冷蔵庫に保存し、注文ごとにパスタボイラーにかけ、調理、冷蔵コールドテーブルの上でディッシュアップして提供する形を取ります。

この事例では調理の前段階から提供まで、キッチンの奥から手前側に流れる機能的なシステムラインを構築し、かつカウンター席のお客さんにライブ感を与える「生きた」キッチンを実現しています。

ドリンクパントリーを設置する場合は、提供しやすいようカウンター側に隣接するよう配置するのが効率的です。

このようにキッチンの機能性と効率性、お客さんの期待感を煽るゾーニングを意識した厨房づくりを意識しましょう。

4.パスタ店の厨房機器

生パスタをお店の売りとするならば、厨房機器も生パスタをよりおいしく、迅速に提供できる機器を取り揃えます。

まずはパスタマシンにこだわりを。マシンは会社によって出来上がる麺の質感が変わってくるため、提供メニューによって導入する会社を選びます。こちらは厨房機器専門店で吟味すると良いでしょう。

パスタボイラーはキッチンサイズに合わせて導入するマシンの大きさ、容量を決めるべきですが、マシンごとに特徴が変わってくるので検討材料は少なくありません。

省エネ構造、排気熱量、ガス給湯器不要のものなど機器設備に優位性があるもの、麺がよく回りくっつきにくい、職人の操作が不要など使いやすさを重視したもの、複数種類のパスタを同時にゆでられる効率性を重視したものなど、それぞれの特徴を把握したうえで導入を決めていきます。

ガステーブルもパスタ専門店に必須の厨房設備ですが、ラザニア、グラタンなどオーブンで調理する料理を提供する場合はオーブン付きのガスレンジ、スチームコンベクションオーブンの導入が必要です。

生パスタをお店の看板にする場合でも、昼はカフェ、夜はバルといった形での営業を視野に入れるなど、ドリンクの提供プランによって、エスプレッソマシンやビールドラフト、ドリンク類を保管する冷蔵庫が必要になります。

ドリンクパントリーはそれらを提供する際のオペレーションを想定して、冷蔵ショーケース、貯氷庫、収納スペースなどを含め配置すべきです。

5.繁盛店を生み出す厨房を作ろう!

パスタを売りにする飲食店でも乾麺を使用している店舗は圧倒的に多く、生パスタ専門店はまだまだ希少な存在です。パスタ専門店というカテゴリーで勝負する場合でも、「生」パスタ専門店を謳うことが数的な面で武器になり、他店との大きな差別化要因となります。

とはいえ、単に生パスタを提供すれば受け入れられるというわけではなく、その味がポイントになることは言うまでもありません。家庭でも気軽に食べられる料理であり、パスタのもつシンプルな特徴を考えたとき、一品料理としてのクオリティが求められます。

繁盛店を作るために、まずはおいしいパスタを提供すること。そのために十分な厨房設備を揃えることが必要です。

また立地にも左右されるものの、一つの店舗としての経営を考えたとき、生パスタ料理の提供だけに特化した場合は収益面でリスクとなる可能性があります。

駅前やその近辺での出店であれば昼はカフェとしても利用できるよう、テイクアウトもできるコーヒーを中心とした飲み物を、夜の時間帯はワインやビールとそれに合うアンティパストをメニューに加え、昼と夜で異なる顔を見せることで収益性を上げる方法もあります。

またこちらの店舗は、「ナポリタン専門店」として全国各地の駅前を中心に展開するチェーン店ですが、ナポリタンという軸となる1品メニューにこだわり集客を成功させています。

この店舗は「ナポリタン」というメニューに特化していますが、パスタの「味」にこだわって固定客を作り、昼夜問わず利用できるフレキシブルなメニューの提供もまた、繁盛店への近道と言えるでしょう。


6.まとめ

パスタ屋の厨房づくりを事例を交え紹介しました。今回の事例は女性客やカップル客、一人客をターゲットにして、カウンター席を設けたパターンでしたが、こうした店舗形態とは異なるレイアウトにする場合、厨房構成もまた変わってきます。

お店の規模、ターゲット、提供する料理を総合的に吟味し、厨房計画を立てて行きましょう。

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茹で麺器

高い火力でお湯を沸騰させ、大量に麺をゆでる為の機械です。 素早い時間で連続調理ができます。

スチームコンベクションオーブン

ヨーロッパで開発され、日本でも普及している調理器。 芯温コントロールで食材の中心の温度を記録できる機能があり、調理のマニュアル化がより簡単になります。

ガスレンジ

クッキングラインの中心的な機器です。 スムーズな火力調整ができ、焼く、炒める等あらゆる調理が可能です。

オーブントップレンジ

トップ麺は五徳とリングバーナーで構成される。
直火で加熱するために、強い火力から弱火まで様々な火力が得られ、プレパレーションでもフィニッシングでも、あらゆるセクションで利用されています。

サプライ

パスタ屋で使える便利な機器をピックアップしてみました。ぜひご利用ください。