初心者でもOK!洋食屋厨房の作り方入門
1.はじめに
2.洋食屋の厨房基本スタイル
3.洋食屋の厨房とゾーニング
4.洋食屋の厨房機器
5.繁盛店を生み出す厨房を作ろう!
6.まとめ
1.はじめに
洋食屋業態はそのメニュー構成から、新店舗として個性を出し継続的に運営していくためのハードルは決して低くありません。
というのも洋食屋の定番メニューである、ハンバーグ、オムライス、ステーキ、エビフライ、グラタン、チキンソテー、カニクリームコロッケなど、現代においてはどれも目新しさはなく、多くは家庭料理として親しまれているからです。
そのためビジネスとして洋食屋を成立させるには、味しかり店内の雰囲気しかり、目的来店を促せるくらいの個性が必要不可欠です。
食材の質、料理人の腕、家庭では実現できない料理を生み出す厨房と、このうちの一つが欠ければ、外食店として成り立たないでしょう。
以下では「洋食屋」として繁盛店を生み出すための厨房づくりを紹介していきます。
2.洋食屋の厨房基本スタイル
昔ながらの洋食屋といったような、カウンター席とソファーベンチ席、テーブル席を数席設置した、オープンキッチン型のゾーニングを行った事例を見ていきましょう。ポイントは3つあります。
厨房のクッキングラインはカウンター席と並列させ、お客さんの顔を見渡せるようにレイアウトするのがまず一つ目のポイントです。これによって店内の状況把握とタイミングに応じたサービス提供がスムーズに行えます。
二つ目のポイントですが、厨房内は導線を意識しつつ、シンクなどを置く洗い場はメインキッチンと区画し、客席側から見えない配慮を行うことです。
厨房は客席の延長線上にあり、開放的なオープンキッチン型を採用するのであれば、内装と厨房の統一感が大事になってきます。例えばレンガブロック調の内装に、木目調のテーブル、椅子、インテリアなど隅々までこだわりたいところ。これが三つ目のポイントです。
洋食ブームの古き良き時代を知る年配の方が居心地の良さを感じる一方で、そうした時代を知らない「洋食ビギナー」の若年層に目新しさを感じてもらいながら、長い付き合いができるお店作りは、繁盛店を生み出すための欠かせない要素です。
3.洋食屋の厨房とゾーニング
コックが調理する姿をお店の演出の一つとするならば、カウンターに座る客に対して背を向けることが少なくなるような厨房構成が理想です。
カウンター席の前に熱源を配置すれば、フライパンを振るう姿や最後の仕上げをパフォーマンスとして魅せることも可能になります。
また昔ながらの洋食屋のイメージをそのままに、常連客がカウンターに座って日常会話を愉しんだり、注文から調理、提供までを最小の労力で行えるといったようなレイアウトができるのもこの業態の魅力です。
オープンキッチン型のメリットは厨房と客席との距離感が近く、調理と配膳の兼務も可能なため、スタッフを雇わずに一人で経営したい方に最適なスタイルです。
ただ、清掃なども一人で行なわなければならず、厨房はなるべく汚れないように工夫したいところ。洗い場と調理スペースをきっちりと区画し、仕込みから調理、片付けまで、最小限の動きで効率よく回せるようにしておくと良いでしょう。
4.洋食屋の厨房機器
洋食屋に必要な厨房機器は、調理機器をカウンター席側に集中させる場合、熱が客席まで届かないようガスレンジ前に強化ガラスを設置したり、調理中の煙が流れこまないよう排煙スピードのある排気ダクトを導入する必要が出てくるでしょう。
排熱や煙をカウンター席に流れないようにするには、調理スペースとカウンター席の仕切りに30センチ程度の立ち上げを施すのも一つのアイディアです。
ガスレンジの隣に卓上タイプのフライヤーを設置するのがオーソドックスな配置ですが、フライヤーの下部に冷蔵コールドドロアーを置き、エビや魚などの揚げ物素材や下処理を行った素材を保冷して、厨房のスペースを無駄なく使います。
一方、下げ膳されてきた食器類を処理する洗い場エリアですが、ソイルドテーブルを設置し、その上部にグラス類を処理するラックシェルフを置きます。
グラスやお皿に残った水分、残菜などを床に落とさないようにするには、ソイルドテーブルから洗浄機までをL字になるように天板でつなぐと良いでしょう。
ソースなどがこびりついたお皿はソーシンクで水に浸して置き、洗浄機に投入し終わった食器類はクリーンテーブルへ。そこで仕分けを行い、再びパントリーなどへ戻す一連の作業を行います。
汚れた食器類を集め、仕分けし、洗浄、クッキングラインへ戻す、という一連の作業をスムーズに行うには、コンパクトなスペースに必要な厨房機器を無駄なく配置し、導線を作っていくことが大切です。
5.繁盛店を生み出す厨房を作ろう!
洋食屋の料理のバリエーションの豊富さは、固定客を獲得しお店を維持していく上で重要なメリットです。
多彩なメニューの一つ一つ味にこだわり、来店客を飽きさせない料理を提供し続ければ、洋食屋として息の長いビジネスが成り立ちます。
今回は小規模店をイメージした厨房づくりを紹介しましたが、小規模店から大規模店まで様々なスタイルに順応できるのが洋食屋のポテンシャルの高さと言えるでしょう。
また年齢、性別はもちろんのこと、一人客やカップル、家族連れといった客層も問わない柔軟性を持つのが洋食の魅力です。お店の立地についてもほかの業態と比べ、それほど影響がない点も新店舗を開く際のアドバンテージになります。
時代や客層に合わせたメニューバリエーションを実現し、その豊富なメニュー構成を実現する厨房機器を揃え、洋食屋のこだわりやイメージを定着させて、繁盛店を作っていきましょう。
6.まとめ
長く続けられる洋食屋を目指すなら、料理の味にこだわり、時代に合わせたコンセプトを打ち出しつつ、幅広い年齢層に親しまれるお店を目指して行きたいところ。
そのためにも一番重要な味を希求できる厨房づくりを意識したお店作りが重要です。
繁盛店を作るポイントを抑えつつ、理想的な厨房をデザインして行きましょう。
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ガスレンジ
クッキングラインの中心的な機器です。 スムーズな火力調整ができ、焼く、炒める等あらゆる調理が可能です。
ローレンジ
高さ50cmくらいで、寸胴レンジとも言われる。 主にスープの抽出や保温に使用されます。
フライヤー
油を加熱し、その油の中に食品を入れて調理する機器。
厨房スペースが限られている居酒屋でも使えるコンパクトなタイプでも、1時間で500食ほど作る能力があります。
炊飯器
日本人の主食とするコメの調理に必要な器具です。 調理過程は非常に単純であり、鍋に米と水を調合して加熱します。
サプライ
洋食屋で使える便利な機器をピックアップしてみました。ぜひご利用ください。