これからパン屋を始めたい!と考えている方で
どのくらいのオーブンを買えばいいの?
オススメのオーブンを教えてほしい!!
といった疑問はありませんか?今回は、オススメのオーブンや、オーブンを選ぶ際の注意点や、その他パン屋を始めるために必要な機材などを厨房機器メーカーの社長が徹底解説します。
最後にはオーブンを安く使用するための方法もご紹介しているので、ぜひご覧ください。
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オーブンの種類


パン屋・ベーカリーの経営を始めるにあたって要となる厨房機器がオーブンです。まず、どんなオーブンがあるのかをご紹介します。
デッキオーブン(自然対流式オーブン)
デッキオーブンは上面と床面に設置されたヒーターを加熱することで食材を焼き上げるオーブンです。
デッキオーブンの最大の特徴は、食材の水分を保って焼き上げることができる点です。
また、上火と下火で異なる調整が可能なため、焼き加減にコントラストをつけられるといったメリットもあります。
②コンベクションオーブン(強制対流式オーブン)
コンベクションオーブンは、ヒーターで熱した空気をファンで循環させることで、パンを焼き上げるオーブンです。
コンベクションオーブンの特徴は、均一に食材を焼くことができる点です。
また、起動から設定温度まで比較的短時間で達することができ、熱伝導率や、時間効率の面を考えた際に選ばれるオーブンです。
③スチームコンベクションオーブン
熱気だけでなく蒸気もファンで循環させるコンベクションオーブンがスチームコンベクションオーブンです。
「熱気+蒸気」を使うため、食材の水分を保ったまま焼き上げられることができます。
スチームコンベクションについては下記の記事で詳しく解説しております。
オーブンを選ぶ際に考えるべきポイント


オーブンを選ぶ際には、調理の目的や頻度に合わせて機能やサイズ、加熱方法を検討することが大切です。
選ぶときに考えるポイントについて詳しく解説していきます。
①熱伝導率
魅力的なパンを焼くためには、味はもちろんのこと見た目も大切です。
焼きムラなどの焼き加減にばらつきが出来てしまうのは好ましくありません。
オーブンの熱伝導率はそういったパンの出来を左右する大切なポイントですので、熱伝導率からオーブンの適性を考えてみたいと思います。
熱伝導率の速さはデッキオーブンよりもコンベクションオーブンの方が良い?
前述にもあるように、上下のヒーターから庫内を温めるデッキオーブンと、ファンを回すことで熱気を庫内に循環させるコンベクションオーブンでは、設置温度までに要する時間に差があります。
食材への熱の入り方も両者を比較すると行き渡り方に差が出ます。
一気に焼き上げたい場合は、コンベクションオーブンに分がありますが、ケーキやスフレなど、徐々に熱を通したい食材にはデッキオーブンに分があると言えるでしょう。
オーブンの開閉による温度低下
食材を入れる際に扉を開閉することで、庫内の温度は低下します。温度低下は仕上がりを左右するポイントになります。
デッキオーブンはヒーターを熱源としていることや、密閉率が高い構造のため、短時間の開閉であれば急激な温度低下を防げるメリットがあります。
扉の開閉による温度低下は一般的に5℃〜10℃程度と言われています。
コンベクションオーブンは、熱風を循環させ、対流熱を用いているため、デッキオーブンに比べ開閉による温度低下が比較的大きくなると言われています。(気温回復は比較的短時間)
扉の開閉による温度低下は、一般的に10℃〜20℃程度と言われています。
②保水率
しっとり感やふっくら感といったパンの出来を左右するポイントがパン生地の保水量です。
このポイントも選ばれるオーブンのタイプによって適性が異なるため詳しくご解説します。
デッキオーブンは保水に特化したオーブン?
保水に関しては、徐々に加熱するデッキオーブンが適していると言われています。
デッキオーブンのメリットを活かして作れるパンには、ジェノワーズ、シフォン系パウンド生地、スフレなどに加え、スチーム機能付きのものはハード系のパンもおすすめです。
一方のコンベクションオーブンは、主にクッキー生地や、デニッシュ生地などの乾燥させるパンが適しています。
ただし昨今のコンベクションオーブンは多機能化が進んでいます。
例えば前述のようにスチームコンベクションオーブン(通称:スチコン)であれば、蒸しパン、プリン、ブリュレなどを作るのに良いでしょう。
③オーブンの大きさ、設置面積や庫内のスペース
デッキオーブンとコンベクションオーブンはそれぞれ固有の機能に加え、構造の違いなどから大きさも異なります。
小型店舗や厨房内スペースが十分に取れない際など、無視できないポイントになると思いますので、それぞれの大きさについて詳しくみていきます。
デッキオーブンの設置面積
一般的なデッキオーブンは複数の段(デッキ)が層のように積み重なり、格段を使ってパンを焼けるような構造になっています。
1段あたりの床面積は90cm〜120cm四方、高さは1段につき50cm程度と言われています。
デッキオーブンの庫内スペース
デッキオーブンの段の高さは20cm〜30cm程度が一般的です。基本的に平坦な面になっているため、床面からの熱で焼く背の低いパンを作るのに適しています。
コンベクションオーブンの設置面積
コンベクションオーブンの床面積の大きさは60cm〜90cm四方が一般的とされており、高さは50cm〜120cm程度となっています。
コンベクションオーブンの庫内スペース
コンベクションオーブンの庫内は、トレイを複数段(5〜10段)に差し込んで使う構造になっています。
トレイ間の高さはメーカーなどによって異なりますが、一般的に8cm〜15cmと言われています。
1段あたりの高さはデッキオーブンよりも低い傾向ですが、トレイとトレイの高さを調節することが可能なため、パンの高さに合わせて使うことができます。
④コストパフォーマンス
続けて初期費用や、ランニングコストなど、それぞれのオーブン毎のコストパフォーマンスについてご解説します。
デッキオーブンの初期費用やランニングコスト
デッキオーブンはシンプルな構造ながらも、大型で耐久性が高く、それ故初期導入費用は比較的高めとなります。
一般的な導入費用の目安は機能やメーカーにもよりますが100〜500万円と言われています。
ランニングコストに関しては、コンベンションオーブンに比べやや劣る面があります。
デッキ毎に加熱・温度調節が可能ですが、少量多種のパンを焼く際には効率が悪くなる場合があります。
コンベクションオーブンの初期費用やランニングコスト
商業用のコンベンションオーブンの価格は50万円〜300万円程度と言われています。
ただし、機能面で電気系統に依存しているケースが多く、メンテナンスに関してはデッキオーブンよりも高額になるケースが多いとされています。加えてファンの定期的なクリーニングも必要になります。
ランニングコストに関して、トレイを効率的に使うことで、複数種のパンを同時に焼くことができます。
また、数量の多い少ないにかかわらず均一に熱を伝えることができるため、比較的少量のパンを焼く際のコストパフォーマンスが良いとされています。
しかしデッキオーブンのような「直火」に近い仕上がりは望めません。用途によって使い方が異なるため一概にどちらのコスパに優れているとは言えません。



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パン屋を始める上でオーブン以外に必要な設備


パン屋を始める際、オーブン以外にも重要な設備があります。
①発酵機(ホイロ)
パンの生地を一定の温度と湿度で発酵させるための機械です。
発酵を均一にコントロールすることができ、パンの品質を安定させます。
発酵機にはプルーフボックスと呼ばれる大量生産タイプと、小型店舗向けの小さめのタイプがあります。
またホイロの上位互換としてドゥコンディショナーという設備があります。
ドゥコンディショナーでは、発酵工程の準備工程(フリーズ > リタード > 余熱)の各工程を自動で行うことができ、前日に生地をセットすることで、焼成時間に合わせて発酵までの過程を行うことができます。
②冷蔵・冷凍庫
材料(バター、イースト、生地)や調理済みの生地、クリームなどを保存するために使用します。
またドゥコンディショナーを使わない場合のリタード(0度前後の低温熟成させること)にも使用します。
③材料保管用キャビネット・棚
小麦粉や砂糖、イーストなどの乾燥材料や、道具、器具を保管するために使用します。
これらと併せてパン生地をのせたトレイを収納するベーカーリーラックや、調理器具を収納するためのラックなどもあると便利です。
④ミキサー・加湿器など
設備ではありませんが、パン屋・ベーカリーならではの専門器具もあると製造効率の向上が望めます。
ミキサー:
ミキサーは大量の生地やクリームなどを作る場合、手作業よりも効率的で、均一な品質保全に役立ちます。
加湿器:
加湿器はオーブンにスチーム機能がない場合の加湿用に使用します。
ドウシーター(生地延ばし器):
パイ生地やデニッシュ生地などを薄く均一に延ばすために使用します。手作業よりも効率的に均一な生地を作れ、大量生産向きの自動タイプと、少量用の手動タイプがあります。
⑤作業台(ワークベンチ)やシンクなど
作業台は生地を成形したり、材料を準備したりするための作業スペース。耐久性があり、清潔に保てるステンレス製のものが一般的です。高さやサイズも併せて選びましょう。
シンクは食材や調理器具の洗浄のため2槽あるいは3槽のものが衛生的に推奨されています。
また、スタッフの手洗い用の小型シンクも衛生管理上必要になります。
まとめ
美味しいパンにはレシピや素材が重要なのは当然のことですが、併せて適切なオーブンを選ぶことが大切です。
今回の記事ではデッキオーブンとコンベンションオーブンのメリットやデメリットについてご紹介しましたが、実際に販売されているオーブンは各メーカーによって様々な特徴があります。
メーカーによっては、テストキッチンで実際に試用することが可能な場合や、それらを使って作ったパンや焼き菓子などのサンプルを配布していることもあるので、実際に足を運ばれて選ばれることをお勧めします。
サブスクキッチンでは定額で様々な機器を借りることが出来るため、ぜひ色々試してみることをおすすめします。
自分にぴったりのものを見つけるためにも、気軽にいろんな選択肢を試してみることで、新しい発見があるかもしれません。
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